1950年代にアメリカ合衆国の黒人音楽であるブルース、カントリーミュージックを起源として生まれた音楽ジャンルの一つであるロックミュージック。
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ハードロック、メタル、オルタナティブロックなどロックのサブジャンルを合わせると優に30を超える派生が存在する。
ロック好きの皆さんには言い難いのだがタイトルにもあるよう2021年現在、ロックは陰キャラ向け音楽ジャンルという風潮があるのではと個人的に感じている。
一体いつどこでロックは陰キャラ御用達音楽に変わってしまったのか、色々僕なりに推測してみたが
①破天荒ロックスターの絶滅
②90s陰キャラロックスターの誕生
③陽キャラの新ジャンルへの流出
がロック信者陰キャラ化を促進しているのではないかと思っている。
※邦ロックについてはあまり詳しくないので洋ロックをメインとした内容になっています。
※2この記事は僕の独断と偏見によって書かれています。俺ロック好きだけど陽キャラだし!って人ごめんね。
そもそも陰キャラとは
陰気な性格の人を意味するネットスラング。 特に、学校における生徒間の地位の序列(スクールカースト)に関する文脈で用いられることの多い語で、陰キャラはカーストの下位と位置づけられることが多い。
学校とか会社のコミュニティで目立たないタイプの人物が陰キャラと呼ばれる。
正直、人を小馬鹿にし陰キャラ呼ばわりしたりする人間にはなりたくないものである。
そもそも陰キャラというネーミングには嫌悪感を感じる。
かく言う私もロック好きバキバキ陰キャラです。
これは僕の中なのイメージでしかないのだが、20代でロック好きなやつは根暗な奴が多い。
全世代のロックリスナーが陰キャラではない
自分の近い年代のロックリスナーを考えて見た時、明らかに陰側の人間が多い。
例えば僕のバンドメンバー。全員が洋ロックをこよなく愛している。
簡単にバンドメンバーの特徴を書いてみる。
Vo 僕 高校から帰宅部の友達全然いない陰キャラ
Gt 高校の同級生。高校時代の休み時間は寝てるふりか、本を読む。マザコン。アル中。
Ba 静かで優しい。声が小さいし絶対にmcで発言しない。オラオラ系とは程遠い。
Dr 超高学歴。イケメン。変わっているが、いいやつ。趣味がスノボ。
なんとメンバーの4/3が俗にいう陰キャラなのだ。
これはたまたまだろうか?いや、そんなことはない。例えば対バン相手で同じ世代でONE OK ROCKのコピーをしていたりする人は陽キャラな感じがする。
しかし、同じ世代でRainbowやDeep Purpleのカバーをしているバンドは大抵地味だ(ただ演奏は超絶上手い)。
「それってあなたの感想ですよね?」
と言われてしまったらその通りでなんのデータもないのだが・・・
ここで気づいたのだが、逆に今の40代〜50代のおっちゃんロッカー陰キャラとは正反対の威圧感を放っていたりする。
これは僕がマイケルシェンカーのライブに行った時の話。
観客のほとんどが僕と友人以外はほぼ、おっちゃんだった。数少ない若い衆は、僕と同じ匂いがする陰の者が多い気がした。
それに対して、会場の8割型を占めているであろうおっちゃん達はゴリゴリの人が多い。
なぜ、おっちゃん達は陽キャラで若い衆は陰キャラが多いのだろうか?
破天荒ロックスターの絶滅
ロックスター=破天荒
これを象徴するのは70s〜90sのロックバンドに当たるだろう。
ホテルの窓からテレビをぶん投げたり、アンプを爆破したり、ウンコ入りピザを配達したり。
詳しくはこの記事にも書いているので是非見て欲しい。
しかし、Green DayやOasis、Nirvana、Red Hot Chili Peppersなどのキャラ濃いめ型破りで破天荒タイプのロックスター達が90sには誕生したものの、2000年代に入ると大御所では破天荒バンドはピタリと登場しなくなってしまった気がする。
そして、今の20代(1992〜2001年生まれ)は、リアルタイムで破天荒ロックスターの奇行を目撃していないのだ。正確には、目撃していてもその時の年齢はかなり低く記憶には残っていないだろう。
それに比べておっちゃんロックリスナーは、こういった奇行を多くをリアルタイムで目撃している。
僕の世代ではないので予想にしか過ぎないが、ロックスターに影響されてアホみたいなことをした人は多いのではないだろうか。流石にホテルの窓からテレビを投げ捨てたりした人はいないだろうが・・・
セックス&ドラッグ&ロックンロールと呼ばれる文化について、
セックス&ドラッグ&ロックンロールなんて陽キャラそのもので、無論2021年のロック文化にはそんなもの存在しない。
今風に言うとオナニー&Twitter &ロックンロールである。
破天荒ロックスターが誕生しなくなったことによって、おっちゃんロックリスナーは陽キャラで若者ロックリスナーは陰キャラという構図が生まれてしまっているのではないだろうか。
90sの陰キャラロックスターの誕生
60s〜80sのロック曲の特徴はざっくり分けると
- 愛してるぜベイベー系
- 俺は悪魔だぁぁあ系
- 社会批判系
- 皮肉なユーモア系
- 意味不明系
- ラブ&ピース系
- 戦争系
みたいな感じだ。
そして90sに突入し新たなどれにも当てはまらないジャンルが生まれる。
オルタナティブロックの誕生である。
新たに生まれたオルタナロックは間違いなく今までのロックと大きく異なる。
それは90sの社会情勢により演者達の層が今までと変わったことが影響がしているのではと個人的に推測している。
特にNirvana、Radiohead、Weezerなどの今までロックとは全く異なった音楽の誕生は画期的なもので、陰キャラをロック好きに目覚めさせるには十分すぎる材料だったのではないだろうか。
そして、これらのオルタナロックが入り口となり、彼らの音楽を逆に遡り古いロックを好きになる。これにより20代洋ロック好き陰キャラが誕生するのではないだろうか。
確かに僕もニルバーナが入り口でハードロック、UKロック、プログレと裾の尾をどんどん広げていきましたね
カリスマ的陰キャラ、カートコバーンの登場
ニルバーナの誕生は世間を大きく変えた。
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今までロックが好きでド派手に着飾っていた若者達がニルバーナに影響され、ボロボロのジーンズにヨレヨレのネルシャツに汚いカーディガンスタイルに変化したのだ。
そしてこのカートコバーンは紛れもなく陰キャラなのである。
幼い頃は活発な正確だったそうだが、両親の離婚をキッカケに引きこもりがちな正確になったそうだ。ニルバーナのファーストアルバムBLEACHにNegative Creepという楽曲がある。
直訳すると
「ネガティブな気持ち悪い奴」
Nirvana - Negative Creep (Live At The Paramount, Seattle / 1991)
曲中で何度も「Im a Negative Creep!!!(俺はネガティブな気持ち悪い奴!)」と叫んでいる。
今でも僕のような陰キャラにこぞって愛されている スーパーバンドである。
カリスマ的陰キャラ、トムヨークの登場
イギリスのモンスターバンドRadioheadの誕生も、ロックファンの陰キャラ化を促進させた要因の一つであると思っている。
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Radioheadほど多様な音楽ジャンルに挑戦しているバンドはそうはいないだろう。しかし、ファーストアルバムを除いたほとんどのアルバムがとにかく暗い。
彼らの1番の有名曲であるCreepもかなり陰気な曲だ。
Radiohead - Creep (Best Live Performance)
先程のニルバーナの楽曲でも紹介したように
Creep=気持ち悪い奴
この曲の内容も「俺って陰キャラだから君みたいな陽キャラ美人とは一緒になれないよね」といった内容になっている。
Radioheadを好きになり陰キャラになっていくのか
陰キャラがRadioheadが好きになるのか
それは卵が先か鶏が先か問題と同様、結論が出せない。
泣き虫ロックWeezerの登場
オタク系ロックバンドの頂点、Weezer。
90sに突如として登場した彼らは、お世辞でも今までのロックスターのように派手とは言えない。
そんな典型的なオタクっぽい見た目の彼らが、パワーポップで世界中に思いをぶちまけている様子は最高にカッコいい。
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そんな彼らの楽曲だが、初期のものはかなり陰キャラ感が強いものが多い。
特にAcross the Seaという楽曲は陰キャラを通り越して少し気持ち悪い。
アメリカから遠く離れた日本の女の子がバンドの大ファンだと手紙を送ってくる。
会ってもいないそんな女の子を好きになってしまい、その手紙を舐めたり、匂いを嗅いだりしちゃうという内容だ。
ここだけを抜き取ると変態だけど、全ての歌詞を見るとすごく繊細で素晴らしい歌詞だよ
陽キャラの新ジャンルへの流出
ロックは死んだ
多くのジョンレノン、ジョンライドンなど多くのロックスターたちが口にするセリフだ。
ロックが死んだと言われる原因は、音楽の産業化や反権性を失ってしまったからなど様々な理由が挙げられる。
しかし、実はロックは死んだのではなく殺されたのではないだろうか。
Hip Hop、EDMの誕生
試しにビルボードランキングを見てみて欲しいのだがロックの楽曲など全くランクインしていない。大抵はポップスやHip Hopがランキングを支配している。
実際に自分の周りの同年代陽キャラ達はHip HopやEDMを好んでいる傾向がある。
音楽の話になったときに、洋楽ロックが好きです。というと「へぇ〜渋いねぇ」と言ったように珍しがられる。
思い返せば2010年くらいから、趣味でライブハウスを出入りしていたがかなり過疎ってる気がした。出入りしている人も痩せ細ったマッシュヘアーやメンヘラっぽい女の子ばかり。
これはライブハウスのブッキングによって全然違うのだとは思うが。
特にうちのバンドのライブの時の過疎り方は異常だったなぁ
それに対して、EDMを提供しているクラブはとんでもない人気がある。
しかも、ゴリゴリのお兄さんとセクシーな女の子ばかりだ。
そもそも、バンドで楽器をしていた奴らより、クラブでDJをしていたやつの方が圧倒的にモテていた。そして圧倒的に陽キャラだったのだ。
最後に・・・
最初に書いたように
①破天荒ロックスターの絶滅
②90s陰キャラロックスターの誕生
③陽キャラの新ジャンルへの流出
がロックを陰キャラ御用達音楽にしてしまったのではないかと推測しています。
当然、ロック好き陽キャラも存在するし全てに当てはまる訳ではないのですが・・・
もしかすると50代の人にとってもロックは陰キャラよりのリスナーが多いイメージがあるかもしれないし、20代の人にとってロックは陽キャラの音楽と思っている人がいるかも知れません。
皆さんはどう思われますか?
感想、ご意見お待ちしております!